date: 2009年03月04日

subject: きもののTPOは面白い

from: 佐藤文絵



3月のテーマは「おでかけきもののTPO」。
おでかけきものというと、とても振り幅の大きいものだと思うし、またいちばん楽しい部分だから、お二人がどんなふうに「とき・場所・場合」に応じてきものを“着分けて”いるのか、いろいろお聞きしたいです。

でもまずは「おでかけきもの」に入る前に、きものそのもののTPOについてお話させてください。
個人的な話になるけれど、わたしは必要に迫られてきものを着るようになったのでなく、シンプルに「好き!楽しい!」というところから始まったので、きものを着るシーンとしたら、ほぼすべて「おでかけ」でした。そしてごくまれに「結婚式」というシーンがありました。ただ当時は、結婚式=友禅の訪問着を着る、というところで思考停止していたから、実際のところ100%「おでかけきもの」だったんです。で、文字通り「好きに」着ていたのでした。TPOおかまいなし、だったように思います。思い返せば、あれは拙かった...ということも多々あるような気がします(あまり思い出さないようにしていますが・笑)。

その後30代に突入し「さすがにルールもわきまえねば」と思ったのと、それからお茶のお稽古を始めたことが大きなきっかけとなって、きものならではのTPOを意識することになりました。
洋服的な感覚のTPOときもののTPOはかなり違うと思うんですよね。洋服だったら「きちんとしよう」とか「すごくカジュアルでOK」とか「今日はドレスアップ」とか、そのくらいの感じです。きものの場合は、基本的な姿勢は洋服と同じでも、そこに文様とか素材とか紋とか、あるいは形そのものが違うとか、さまざまな要素とルールが加わってきて、とても高度。これは難しくもあるけれど、面白いなあと思います。豊かな世界ですよね。

「つね・ちょい着・よそゆき・大よそゆき」という言葉はご存知ですか?
私は、雑誌『きものサロン』の京都取材をお手伝いした際にはじめて知りました。きものを4つのTPOに分けているんです。具体的には、こんなふう。
・つね=普段着。家事やごく近所でのお買い物まで。ポリや木綿
・ちょい着=お稽古、ちょっとしたおでかけ、百貨店でのお買い物とか。軽めの小紋や紬類
・よそゆき=パーティや食事会、お茶会など。気の張るおでかけ。
・大よそゆき=礼装。すごく格の高い催し。
これはすごく分かりやすいなあと思いました。着こなし四段活用、というところでしょうか。
自分のワードローブを思い浮かべて、この4つに分類してみると、すっきり整理された気持ちになります。いま私たちは「おでかけきもの」という言葉を使っていますけど、この4つに照らし合わせれば、よそゆきとちょい着を足したものということになりますね。

「つね・ちょい着・よそゆき・大よそゆき」については、ちょうど数日前に発売した『きものサロン 09年春号』(世界文化社)で、ぐっと掘り下げて特集されているから、ぜひ見てみてください。「きもの好き100人のお洒落講座」ということで、たくさんの方が登場し、この四段活用に沿って紹介されています。おおまかな着こなしの傾向がわかるとともに、皆やっぱりそれぞれなんですよね。ある方にとっての「つね」は私の基準でいえば「よそゆき」クラスだなあ、なんて思うところもあり、興味深いのですよ。

追伸:
余談ですが私もその100人のひとりとして登場しています。残念ながら着こなし四段活用の部分ではなく、後ろの方の“始末のよい”コーナー。母の小紋を仕立て直した帯についてお話しました(こういった「きもののやりくり」の話題は、またおいおい)。

date: 2009年03月06日

subject: 艶・光沢感を利用する

from: 植田伊津子



なるほど。「つね・ちょい着・よそゆき・大よそゆき」って、わかりやすいですね。関西らしい直截な分類わけの言葉だと思います。

きもの業界でいう「しゃれ着」は、およそ「よそゆき」のときに着るきものを指しているはずですが、実際には、「よそゆき」よりもう少しきどらない場面で着る「ちょい着」の需要があって、少し前から「ちょい着」を楽しみたい方が増えてきているように感じます。

ふだんのきものが着られなくなったのちに、昭和40年代から礼装のきものの特需があり、それ以後、フォーマル場面のカジュアル化が進行。礼装のきもの離れ現象にはいまだ歯止めがかかりません。
そうしたところ、この10年ぐらい「やっぱり、気軽に着られるおしゃれなきものを見直そう」と、やわらかな染めものよりも織物、とくに紬が人気を集めてきました。

さて、いまだ紬人気は続いているようですが、私は「おでかけのきもの」として紬を着るむずかしさを感じています。おふたりはそのように感じられたことはありませんか?

いったい「おでかけのきもの」が、おしゃれに見えるポイントとは何なのでしょう?

つねづね私は、おでかけの装いのキーポイントは「艶・光沢」にあると思っています。
たとえば、少し飛躍したたとえかもしれませんが、エルメスのキャンバス地のトートバッグは高額ではあっても、人の目のある「よそゆき」シーンには、あまり合わないように思うのです。それならば、グッチやフェンディの最新の革製品を持ったほうが、よそゆき度は確実にアップします。

なぜそう思うのでしょう。おそらく値段はともかくも、エルメスのトートバックが、もともとWORK用の素朴なキャンバス地を使っているからでしょう。ブランド名が輝いていても、カジュアルがカジュアル以上のものになりにくい事実があります。

それと同じで、基本的に光沢のほとんどない紬地は、出自からしてもおしゃれな方向に持っていくためには、工夫がいります。
(ここではおおまかに紬と括って書きましたが、大島紬は光沢があるために結城紬よりシャレ感があらわれやすいものです。結城紬は、江戸時代に奢侈禁止令が出され絹織物が制約を受けたときに、外見が「木綿」に似ていることからその取り締まりを受けずに済んだエピソードがあるぐらいですから、光沢はほとんどありません)

艶や光沢感がおしゃれのキーポイント、と私はいいました。

こう考える私が紬を着るときを考えてみると、カジュアルダウンするときは「光沢のない」帯を締め、よそゆきにしたいときは「光沢のある」帯を締めているのです。

もう少し詳しくお話ししますと、たとえば無地の結城紬やお下がりの大島でも、藍染めやジャワ更紗の帯を締めると「ちょい着」という感じで、同じきものに塩瀬の染帯や刺繍入りの帯を締めたら「よそゆき」という感じなのです。

塩瀬地の抑えめな光沢、面積が小さくても存在感のある刺繍糸の光沢、そういったものが「よそゆき度」を盛り上げてくれるのです。ひとつ、ここで申し上げておきますが、光沢のある帯といっても金銀糸の袋帯は礼装に用いるきまりですから、おしゃれのきものにこういうものは合わせません。

そもそも私は染めものの人で、紬を着るのは「ちょい着」までで、「よそゆき」以上になると染めものに袖を通していますね。
細かな紋意匠やちりめんなど、意識をしなければ光沢がないように思われる後染めでも、それでも織物とならべたら、しっとりとした艶があるものです。

ですから、よそゆき度満載のコーディネートとくれば、私の場合は、染めのきもの+上品な光沢をどこかに感じさせるおしゃれな染め帯かしゃれ袋帯、ということになります。

こう書くと、光沢のない紬にどっしりと沈んだ糸の織り帯などを取り合わせるのがお好きな方から不満が出そうですが、このような組み合わせを好まれるのは、ご自身のキャラクターが明確な方だと思います。
自分のスタイルが際立ったおしゃれの達人なら、そういった光沢無し同士の組み合わせでも、力業で「よそゆき」的に魅せることができるでしょう。

そして、その姿は傍目からはとても魅力的に見えますが、ふつうに真似をしても、その人のようなおしゃれな雰囲気になりにくいのが現実ではないでしょうか。

私も、残念なことに光沢無し同士のコーディネートならば、地味な「おばさん」風にしかなりません。何度も挑戦し、その場はさほどでもなく思ったりもしたのですが、のちの写真を見ると、愕然とするほど「よそゆき」の輪のなかにいる「ふだん着」の人、に見えるのです。

普通のきもの好きな方がよそゆきのおしゃれを考えるならば、「艶・光沢」という要素をうまく取り入れられるのが、一案のように思われるのです。

date: 2009年03月08日

subject: ジャケット感覚の帯

from: 樺澤貴子



私の“きものはじめ”は、「ワードローブの一つとして、おでかけに素敵かも!」から始まりました。佐藤さんと同じく、「好き」が先行。「こんなきものを着てみたい」という気持ちに従い我が道を邁進するというミーハーな心根が出発点なので、当然ルールは後付け。自分なりに解釈したTPOにきものや帯の格がそぐわず、今思い返すとあちこちで、たくさんの恥をかきおいてきました。あまたの恥によって微妙なTPOをかぎわける皮膚感覚を育て、早10年。依然として迷いは多々あり、四角四面ではないさらなる皮膚感覚を身につけるべく、おふたりの智恵と経験をお借りしたいものです。

私のきものは、ほとんどが<ちょい着>と<よそゆき>。おふたりとも、そうかしら?でも、これって実は一番シーンが幅広く、人それぞれでルールの置き所が違うから個性が出て楽しいけど、失敗も多いですよね。例えば、「ホテルのレストランに行くのにジーパンはありか」という時に、王道を行くなら「なし」だけど、ジャケットを着用するなど、トータルでスタイルがブラッシュアップされていれば「あり」(もちろん、ご一緒する相手にもよりますが)。つまり、ジャケットに匹敵するアイテムがあれば、おでかけ感が増し、きものでいうなら帯がその役割に!

私のなかで“ジャケット感覚の帯”は、1.古典柄をケチることなく描き、欲を言えば部分的に刺繍を刺したような格のある染め帯、2.有職文や名物裂など・・・きちんと感のある織り名古屋帯、3.ワンポイント柄の洒落袋。どれも、紬から、小紋、付け下げまで幅広く締められ、<ちょい着>と<よそゆき>にヘビーローテーションで活躍。「一点投入で装いワンランクアップ」というファッション誌の見出しがつきそうな、万能帯のように思います。

今、私の欲しい物リストの筆頭にある“ジャケット感覚の帯”は、御所解の染め帯。狙うは、ぎをん齋藤。植田さん情報による「ぎをん齋藤の御所解はバリエーションがもっとも豊富で、茶屋辻柄に傾いたもの、御所解でもあっさりとしたオトナ調のもの、かわいい系のものなど・・・これほどの種類は、他の京都の呉服屋でも見られません」というアドバイスを胸に、コツコツ積み立て中です(笑)。植田さんのプロフィール写真にある桧扇の染め帯は素敵ですね。これなど、私のなかで“ジャケット感覚の帯”。はじめて佐藤さんにお会いした時に締めていらっしゃった京紫地の草紙文の染め帯もグッときました。

さて、前回の植田さんの記事にある「紬はおでかけきものになりうるか?」ですが、私自身は光沢のない紬をおでかけに着ていくことも多いです。例えば、赤味のある弁柄茶で縦糸に節感のある無地の紬は、私のおでかけ紬の一枚。これに、綸子地の古典柄の染め帯やモダンな柄付けの絞りの染め帯、荒磯の洒落袋帯を合わせると、ギャラリーや個展のオープニングパーティ、銀座のビストロくらいまでは行っちゃいます。でも「おでかけ」を<ちょい着><よそゆき>に分けると、感覚は<ちょい着>。同じ無地でも、淡い地色やぼかしが入った紬に一つ紋を入れたものなら、<よそゆき>で着られるように思いますが、今のところ自分の選択肢にはないかも・・・。

おふたりには、お出かけ感を増す一点投入アイテムがありますか?

date: 2009年03月10日

subject: 艶なし紬も<よそゆき>に

from: 佐藤文絵



ふむふむ。「艶や光沢感」「一点投入」。どちらもなるほどと肯きながら読みました。

少し前に、薄いグレー色をした小紋の御召を誂えました。このブログのプロフィール写真がそのきものです。小紋というものをそもそも持っていなかったし、小紋はやはりちょっとしたときにいいかも、それにお茶のお稽古にも着たらいいしね、そう思ってつくりました。
けれど纏ってみたら想像以上に艶がきれいで、これをお稽古になどモッタイナイ、と思い直しました。<ちょい着>のつもりが、<よそゆき>に昇格です。そのポイントはまさに「艶・光沢感」でした。改まった感じはむしろ出したくなくて、でもおしゃれしたいなあ、そんなときにぴったりです。

では艶なし紬は<ちょい着>止まりで、<よそゆき>にはならないかというと、必ずしもそうではない。絣や縞、格子柄の紬の多くは<ちょい着>だけど、無地の紬は十分<よそゆき>に対応できる、と思っています。
無地の紬は、ざっくりとした織や紅型の帯を合わせたら、ちょっとしたおでかけ着。塩瀬などの生地に上品な染めや刺繍をこらした帯なら、もうすこし改まった場所に。そして唐織や綴の帯を締めて結婚式に出席したこともあります。カジュアルめの結婚式ではありましたが、まさに無地紬は適応範囲が広く、よくよく袖を通しています。

よそゆき感は、色も大きなポイントですね。これは着る人のタイプや年齢によって変わってくるかもしれないけれど、薄い色、淡い色、きれいな色はよそゆきらしく感じられると思います。真綿系の紬であっても、白に近い色には絹のもつ光沢感がでてくるから、華やかな印象を与えます(内部事情的にいえば、汚れの気になる淡い色は、よそゆきでないと着れないわ!という気持ちもあり)。
一方、濃い色、暗めの色、渋い色はちょい着のグループに入りやすいです。ただ紫のような格調ある色は例外ということになりましょうか。

紬は<よそゆき>にも十分なりうる。
ただし、ひとつ越えがたい壁があるとするならば、それは「感触」かなと思います。装いというのは、見た目のことだけでなく、着ている本人の気分を盛り上げるものですよね。紬の感触は「かたもの」と呼ばれる通り、堅く、たぶん「ケ」の感触。逆に柔らかものは、肌がその柔らかさに触れるたびに「ああ、今日わたしはおめかしをしている」と無意識のところで、よそゆきの意識を与えてくれるように思います。つまり柔らかものは無条件に「ハレ」の感触。
これはすごく重要で、知らぬうちに姿勢や表情に影響をおよぼしていると思うのです。ペタ靴を履いたときとヒールの靴を履いたとき。パンツのときとスカートのときとの違いのように。
やわらかさ、しなやかさ、しっとりとした絹らしい感触がもたらすおめかし感、よそゆき感は、柔らかものには敵うまい。この点は付け加えたい、と思いました。

ところで、ジャケット的にレベルアップしてくれる優秀な“一点投入アイテム”は、私の箪笥には入っていないようでした。そんなものが、わたしはほしい(笑)。
御所解のような格調のある染帯は、話が最初に戻るようだけれど「改まった感じはむしろ出したくなくて、でもおしゃれしたいなあ」というときにすごくよいものだなあと思います。最近強化したいと願うアイテムです。こなれた感じ、がんばりすぎない感じ、あそび心。「おでかけきもの」のおしゃれのエッセンスはこの辺りにあるような気がしています。

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グレーの御召小紋(左)と無地の紬(右)。御召には市松の地紋が織り込まれていて、またその一部は梨地。それゆえ微妙にマットな艶感です。小紋ということで軽やかさもでるし、まさに「おでかけきもの」の一枚。一方、淡い色目の無地紬は、帯次第でいかようにも。

date: 2009年03月11日

subject: 気づかい

from: 植田伊津子



3人ともおそらく一般の方よりはきものに触れるシーンが多く、それなりのTPOを踏まえて過ごしてきたのでしょうが、少しずつ温度差があるのが興味深いですね。
私はどちらかといえば保守的なほうに傾きがちのTPOで、お二方はやわらかめのTPOなのでしょうか。

佐藤さんが、淡色の無地紬に唐織や綴の帯を締めて結婚式に出席したこともあると聞いて、そういう時代になったのかとも深く考えさせられました。
私の感覚からすると、「式」と名乗るシーン(「入学式」「卒業式」「結婚式」「お葬式」など)に出向くのであれば、やわらかものの紋付きの中から着るものを選びます。
「カジュアルめの結婚式」とお書きになっているように、昨今は「式」が相当に軽くなっていますから、どれほど形式張らないものかはわかりませんけれどね。

式内容は仲人を立てない人前結婚式などいろいろあるでしょうが、一般的に会場が格式のあるホテルで年配者の多い式なら、およばれのきものもフォーマルに傾けたほうがよく、会場がカジュアルなレストランなどなら、佐藤さんのようによそゆきの紬に格式のある帯でも差し支えないのではと思います。ちなみにその紬には紋がありますか?

この頃は、絵羽付けや飛び柄の染め加工をほどこしたさまざまなバリエーションの紬がありますが、通常、紬はしゃれ着・日常着(ちょい着)という扱いをするはずですから、紋をあまり入れません。
といっても、まったくないことはありませんよ。無地紬に縫いの一つ紋を入れると、お茶のシーンならば、軽めの茶会(大寄せ茶会や身内的な茶会)で活躍します。
しかし紬に紋を入れると、行く場所が限定されるためかえって着にくい面があるはずです。紬が生き生きと見える本来の場所で、趣味で気楽に着るほうが、着ている本人も落ち着けるのではないかと思うのです。

ちなみに、「今日は紬を着たい気分だから」とよそゆきのシーンで紬を着ます。
でも、その場所にうかがってみたら「どうもカジュアルすぎたかもしれない」とドキドキすることが、私にはよくありました。たとえば、国立能楽堂へお能を見に行くときや、年配者が多いお祝いの会などです。

落語や文楽、歌舞伎(顔見世興行ではないふつうの月の歌舞伎)ならば、紬もよいと思うのですが、能は少し改まったやわらかものの装いのほうが、場に合うと思われます。
おそらく能は、神仏に捧げる奉納事として生まれ、そののちに将軍や武家社会などの時の権力と結びついた歴史をもつ伝統芸能ですから、今もくだけすぎない装いで行くほうが浮きません。

また、ご年配の方の多いお祝いの会では、「着るものはなんでも結構ですよ」という主催者の言葉を真に受けて、よそゆきのきれいな無地紬にしゃれ袋の帯で出かけたら、目立ちたかったわけではないのに、そうなりました。
皆さんライトフォーマルな染めの装いで、訪問着や付下げ、江戸小紋、くだけてよそゆき感あふれる小紋です。会場はそれなりのホテルの一室。場所と集まるメンツを少し考えれば、ドレスコードはおのずと知れたわけです。

装いにおいて私が「しまった」という場合は、往々にして「足りない」という場面で起こります。カジュアルダウンのむずかしさを感じますね。
私の場合、「これは、フォーマルすぎた」という場面よりカジュアルで失敗するほうが多かったことを考えると、最近は慎重に「自分が考えているよりも、少しあらたまった装い」を心がけています。
とくにきものはうるさがたの多い世界ですから、ご年配の方と一緒になる場合は「よそゆき」の意識を上げ、やわらかいものをうまく着こなしたいと考えるようになりました。

無地紬は、フォーマルからカジュアルシーンまでかなり着回すことができる
これには異論ありませんが、一方的に紬だけに親しんでいたなら、やわらかもののルールに対して臆病になるようにも思うのです。

染めは、無地、小紋、付下げや訪問着、色留、留袖という様式や柄付けに加え、紋の有無、それに対しての帯の取り合わせもありますから、適宜着る練習をしないと決まり事が身につきません。そのため紬好きな方は、どちらかといえば「まっとう」な場のおしゃれの着こなしをやや苦手とされているようですね。
どちらかに偏りなく、染めと織りの両方ともをそれぞれの場でふさわしく着分けるほうが、結局のところ楽であり、また気づかいの心を周りに認めてもらえる行為だと思うのです。

さて、お二人の原稿を読んでいくにつれて、よそいきに活躍しそうな清潔感のある無地紬を見直しました。紬のおしゃれを工夫している様子が伝わってきたからです。私も3月中旬ともなれば、着心地の軽い大島紬を着て、気どらない食事などにおでかけしたいものです。
紬の力強い存在感はなにものにも代え難く、体をすっぽりとやさしく包む感覚に母性を感じます。よい紬は着るほど体になじみますので、愛着もひとしお。私も身内が着ていたお下がりの紬のきものを、腰紐部分に接ぎを入れるなどして、それは大切に着ています。

ところで、樺澤さんがいわれた「ジャケット感覚の帯」って、おもしろい表現ですね。私の場合は、格調のある塩瀬の染め帯、しゃれた織なごや九寸帯などが重宝しています。
(八寸なごやと九寸なごやの違いについては、また帯テーマの月に話したいですが、九寸帯のほうがあらたまった印象をもたらします)

きものの優秀なアイテムなら、諸先輩方も口をそろえていわれていますが、染めの小紋が便利ではないでしょうか。
江戸小紋ほどの小さな柄は無地になりすぎて格調が出ますから、私的にはおもしろくないのですが、江戸小紋よりは柄が少し立った総柄の小紋などは総じて堅気に見えますし、ポツポツと柄を飛ばせた飛び柄ならオトナっぽく映ります。
むずかしいのは、よい柄かどうか。自分の趣味に合ったテイストの柄さえ見つかれば、小紋を豊かに着回すことができるでしょう。

小紋でも、キーカラーは、佐藤さんのおっしゃるように「薄い」「淡い」「きれいな」色かしら。「ちょい着」よりワンランク上のおでかけには、澄んだうつくしい色を身につけたい気持ちがあります。

きものや帯だけではなく、帯揚げや帯締などの小物にこうした色を取り入れるのもおしゃれ度をアップするのに有効な手ですよね?

date: 2009年03月13日

subject: よそゆき度の調整弁

from: 佐藤文絵



植田さんはきっと幼きころからお茶やきものが身近にあって、社会人になられてからは茶道の出版社という、私などからするととても敷居の高い世界に身を置かれていたのだから、それはもうさまざまなシーンをくぐりぬいてこられたことと想像しています。
おっしゃること、いちいち尤も。本当に勉強になります。「着る練習をしないと決まり事が身につきません」という一言は、まさにその通りだなあとしみじみ読みました。一朝一夕にはいかないことです。ひとつずつ身につけていきたいと思います。

先日書きました結婚式にも着ていった無地の紬。紋は入れませんでした。紋を入れることは考えなくもなかったので呉服店の店主に相談してみたところ、「紬に紋を入れるほど野暮なことはない」とばっさり。私はそれを野暮と思っていないし、特に無地の紬に入った加賀紋は素敵だなあと思っています。粋・野暮談義はヒートアップしがちだからそれはさて置くとして、信頼を寄せる方のこういう意見は長く引きずってしまうものですね。向こう数年、紬に紋を入れる勇気は湧いてこないかもしれません。困ったものです。

話が少しそれてしまいました。
いずれにしても、紬に紋を入れると着るシーンが限定されるというのは本当です。たくさんある内の一枚ならそれもありだけど、私は無地の紬は適応範囲の広いところが大きな魅力と感じていますので、紋はなし、なにもなしで、のびのびと着たいです。

適応範囲がある程度広いものを、<ちょい着>として着たり、<よそゆき>として着たり。それを調整するのは、まずは帯。そして小物の役割もまた大きいですよね。
無地紬に唐織(もしくは綴)の帯を締めたときは、帯揚げに飛び絞りを合わせました。白地に紅の絞りが入ったものです。そもそも紬と唐織という王道から外れた組み合わせ。たぶん縮緬の帯揚げなどを合わせたら、あまりよくなさそう。華やかで柔らかい雰囲気をもつこんな帯揚げが、紬と唐織の間を取り持ってくれたように思うのです。本来合わせるべき、柔らかいきものの代わりを務めてくれているのかも。

飛び絞りは、普段から使う方もあるけれど、私はもっぱら<よそゆき>以上に使います。お二人の「おでかけきもの」、どんなふうに小物を選んでいますか?

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菊唐草の地紋が特徴的な、飛び絞り。京都祇園のゑり萬さんの定番です。

date: 2009年03月15日

subject: きれい色の小物

from: 樺澤貴子



ブログのスタートから、ちょうど2週間。お二人の率直な考えや体験談、工夫が伺えて、楽しくなってきました!

まずは、<無地の紬>論について、一言参戦。佐藤さんの無地紬+唐織という帯合わせは、字面だけを見ると違和感を感じましたが、柔らかなピンク色のお写真を見ると、よそゆき感は納得。色の濃淡は印象を大きく左右しますよね。私が最初に例に出した無地紬は弁柄色という色の雰囲気もあり、<ちょい着>どまりなのです。

ちなみに、無地の御召しでパーティへ行った、私の失敗談をひとつ。きものを着始めたばかりの頃、きもののご指南役として雑誌に登場されている先生の「気軽な立食パーティ」(と、招待状にはあった)におよばれしたことがありました。当時私は織りのきもの、しかもシックな色がマイブームだったため、砂茶色の無地の御召し(光沢のないもの、一つ紋入り)に季節にちなんで菊の織り帯というコーディネートで伺いました。到着したら、織りのきものは私ひとり(笑)。今考えれば、理由は明確ですが、当時は、「きものを着るだけで自分が楽しい」「いかに自分らしいスタイルを演出するか」という自分本位の思考が先行し、染めと織りの皮膚感覚、相手への心配りまでを考える余裕がありませんでした。この時の恥ずかしい思いを今でも引きずっているので、織りのきものを<よそゆき>として装うことは、頭では理解していても自分では抵抗があるのかもしれません。

きもののTPOは、洋服にも増してとにかく場数をこなすことが大切だと常々感じています。私は和・洋装にかかわらず“装いダイアリー”なるものをつけていて、これはTPOの訓練になっています。といっても立派なダイアリーではなく、スケジュール帳にメモをしている程度ですが、このストックがあると同じ方に対してコーディネートがかぶることもありません。でも失敗と成功は、いつでも表裏一体。失敗をおそれて、保守的な装いばかりしていてはつまらない!おちゃめキャラの次女としては、冒険的に装うことから新しい発見や思いがけないお褒めの言葉をいただきながら、少しずつ自分らしい装いというものがわかるようになってきた次第です。

ところで、佐藤さんが言われた「よそゆき度の調整弁となる小物」ですが、私の中でも白地に紅の飛び絞りの帯揚げは、よそゆきに活躍しています。ただし、私の場合は小唄のお師匠さんの影響で<お祝い><初春>の意味を込める場面に限定しています。私が習う江戸小唄の師匠は、もともと赤坂の芸者さん。踊りの会にお師匠さんとご一緒した際、おめかし気分で白地に紅の飛び絞りの帯揚げをしていたら、「赤坂では、お正月(1〜2月にかけての新春の席)だけ」とダメ出し。それ以来、自分のなかではお祝い&初春の小物となっています。結婚式や新春歌舞伎結婚式、お茶のお正月である炉開きなど・・・。

白×紅のつながりでいうと、房の内側に紅をさして別誂えした白の冠組の帯締めは、私にとってよそゆき度を添える小物です。年配の方からは、「白の帯締めは礼装の時のみよ」と言われることもありますが、房に紅をさすことで少し洒落感を出したつもり。白一色または白×金糸または銀糸などのようなフォーマル感はありません。白のもつ凛とした表情が、パーティで小紋を着るときなどに装いを底上げしてくれます。白×紅の飛び絞りの帯揚げ同様、白×紅の小物には、きものらしい気品を感じます。

さらに、ほんのりと頬紅をさしたような淡いピンクの帯揚げもよそゆき度を添える小物のひとつ。黄味がかったものから白に近いものまで色の微妙な濃淡でバリエーションを揃えています。私は帯揚げをほとんど前帯にしまい込んでしまいますが、ふとした仕草で“ちらり”と見える効き味が絶妙。また浅葱色や鶸色、白に近い桜色などの帯締めも、華やぎの存在感をもたらすアイテム。淡い色、透明感のあるきれい色がよそゆき度を増すのは、小物づかいにおいてもしかりですね。

植田さんはいかがですか?

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白の冠組の帯締めは野澤組紐舗で別誂えをしたもので、房の内側にだけ紅をさしていただきました。もともと友人が締めており、お太鼓の内側でほんのり紅が揺れる艶っぽさに一目惚れして私もオーダーしました。頬紅効果の帯揚げは、基本的に縮緬ではなく光沢系のもの。

date: 2009年03月17日

subject: 飛び絞りの帯揚げ

from: 植田伊津子



さる京都の呉服屋さんいわく、「『紅(白地に紅の飛び絞り)』と『薄朱』の2枚の帯揚げさえあれば、わたくしどものきものすべてに合わせていただけます』と聞いたことがあります。

白地に紅の帯揚げは、樺澤さんの小唄のお師匠さんほどはこだわらずに、京都の人たちはちょっとしたよそいきに合わせるようです。けれど関東の方は、この手の帯揚げは「女らしすぎて恥ずかしい」という気持ちがあるようで、京都ほど見かけません。
そういう私も「少し気恥ずかしい」派なのです。ですから、持ってはいるのですが、かなり「がんばった」装い以外には紅絞りの帯揚げを合わせません。頻度からいえば、1年のうちに1、2度ぐらいしょうか。

その「紅絞り」の帯揚げも、変遷がありました。
はじめて買ったのは30代はじめ。佐藤さんの写真のように明るい紅で、花のかたちを絞りで大きめにあらわしたものでした。

けれど、だんだんと明るい赤が使いにくくなって、新しく紅の帯揚げを数年前に買い直しました。今度はダークな赤で、紅の絞りの面積が少し小さいものに変えたのです。
この手のものを扱っている何店舗かを巡ってみると、紅絞りにも濃淡があるのがわかります。お若い方なら、紅が鮮やかできれいなものが似合うでしょうが、もし違和感を感じはじめたら、しずんだ紅色の絞りを選べばおさまりがよいと思いますね。


これは和装小物のきねや製。自社で染めているために、訪れるタイミングで紅の色が微妙に変わりますが、暗紅色は定番の色なのだそう。


紅絞りに関しては「少し気恥ずかしい」派の私ですが、この手の帯揚げは広汎に使えるので、知らないうちに各色をそろえていました。落ち着いた地色のきものや帯の間に、白地の面積が大きい飛び絞りの帯揚げを入れると「抜け」が表せるからでしょうか。
それもありますが、好きなんでしょうね、こういう愛らしさが。実際には使わなくても、きれいな絞りの色を並べて見ているだけで満足する部分があるようです。

それはそれとして、菊唐草の綸子白地に色を絞ったものは、綸子自体がややよそゆき風に見えるため、私の場合、ちょい着やお茶のお稽古のきものには、「ちりめん白地」の飛び絞りを多く使います。
「飛び絞り」でも地がちりめんなら、綸子ほどは艶がありませんから、多少控えめになります。ただ、ちりめん地は撚糸のでこぼこが影をつくりますので色に注意が必要。私はきつい色を選ばないようにしています。
けれど、結局、帯揚げの分量かもしれませんね。私は、着付けのときに、少なくもなく多くもない量に整えますけれど、とくに東京在住の着慣れた方たちは、あまり帯揚げをお見せになりません。そういう方なら、帯揚げよりも帯締に重点をおいたおしゃれのほうがよさそうですね。


鉄紺色の絞りは「こんな色が欲しい」といって、に志田で別誂えしたもの。京都の方たちからは「地味すぎないか」と心配されましたが、東京にいる私はこれぐらいでも大丈夫。暗い色調ではありますが、少し濁らせて色をゆるめて染めてもらいました。隣の紫色の絞りは、昔に伊勢由で購入したものです。



菊唐草の綸子地の飛び絞りのなかで、昨年来、出番が多いのが濃オレンジの色目の絞り(きねや製)。この色は、紅絞りほどあらたまった感じがしないため、寒色系やダーク系のきものと帯に、ひと挿しの色を入れたいときに使います。ちょっとした大寄せの茶会、銀座へおでかけのときなど、意外なほど私には使いやすい色でした。



ついつい飛び絞りの帯揚げについて話してしまいました。樺澤さんのすてきな帯締の話を受けて、帯まわりの小物の続きをしたいところですが、これらについてはまた9月にまとめて話すことにしましょう。

date: 2009年03月18日

subject: おでかけきもののバッグ

from: 樺澤貴子



きもののおでかけで意外に悩むのがバッグです。きものを着始めた頃などは、全部コーディネートし終わったあとに「持つバッグがない!」と大騒ぎしたものでした。私の場合、お茶まわりのシーン以外では、ほとんど利休バッグを持ちません。和洋兼用、一石二鳥を狙うがゆえに自らの首を締めている次第であります。

最近はようやくスタイルも定まり、自分なりのルールを発見しました。私が感じることは、表革のレザーのバッグの難しさ。もちろん、<ちょい着>のときには、レザーのハードさがカジュアルリッチな印象を効かせることもあります。でも、柔らかものを纏った<よそゆき>のシーンには、きものと表革の硬質な質感に違和感を感じるのです。それがたとえ“きものに似合う”と言われつづけてきた、エルメスのケリーバッグであっても・・・。洋装の場合でも第一礼装にはドレスと共布のバッグやシューズを合わせるのが基本とされていますが、それと同じ感覚なのだと思います。ただし、同じレザーでもソフトなスエードや光沢のあるパテントレザーは、なぜかOK。感覚的なことで本当に恐縮ですが、素材のソフト感または艶があるということが、<よそゆき>に似合うひとつの基準かと思います。

というわけで七転八倒の10年を経て、私なりにいきついた和洋折衷バッグは、サテンやベルベットなど光沢のある布帛のバッグです。ブランドものでなくても、百貨店の礼装コーナーに行くと、きものバッグとして便利に使えそうな才色兼備なバッグがほどほどの価格で並んでいます。また、私は古着店も積極的に利用します。クラシカルなデザインのビンテージものなどが、これまたお買い得な価格で求められます。留め具のデザインやディテールに細工が施された凝ったものが多いので、実用はさておきアクセサリー感覚のバッグとして活躍。最近市民権を得ているクラッチバッグもサイズや素材違いを揃えています。ハンドルがないと一見不便なようですが、バッグを持つ指の先までピンと緊張感が行き届き、立ち姿が様になる気がします。

おふたりも、和装小物以外でおしゃれ度を増す、お気に入り小物はありますか?

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写真左:オレンジと茶のストライプは古着店で6000円ほどで購入。パープルのスエード調のクラッチは文庫本や化粧道具、財布に携帯までたっぷりと入ります。グレーのサテン地は、折り畳むとクラッチになり、のばすとトート型になる便利な2WAYタイプ。写真右:深い緑のグログランのクラッチは母のお下がり。茶のサテンバッグは古着店で一目惚れ。ビーズのバッグもパーティには活躍します。

date: 2009年03月20日

subject: おでかけきもののバッグ Part2

from: 植田伊津子



前回の樺澤さん独自のバッグ観、おもしろいですね。布帛のバッグを私もほしいなと思いましたよ。
確かにバックはむずかしいですね。いまだ私にとって迷いの多いアイテムです。
というのも、私の場合、きものを着るのがお茶とお仕事での場面に傾いていますので、実務的なバッグがほとんどだからです。

お茶の用向きで出かける場合は、財布や手帳、定期入、化粧ポーチなどの通常の持ち物にプラスして、数寄屋袋や替足袋を持ちます。それに、きもの用割烹着や雨ゴート、教則本、お弁当類が加わることもあります。ハンカチや手ぬぐいも、洋服時より余分に枚数を持ち歩きます。
仕事でも、資料類や本、筆記類。洋服時と変わらない分量です。大荷物でも車に乗らずに電車で動く私にとって、まず大容量のバッグであることが前提なのです。

また、きものって重いと思いませんか。絹といえども、裏地がついていますし、堅牢な紬や木綿、どっしりとしたちりめんのきものの重さが、40歳を越えた身にはひときわとなりました。
そのため、きもの姿で重いバッグを持って移動するのがなおさらつらく、とにかく私のバッグ選びのポイントは、「軽い」「大容量」「どんなきものにも合わせやすい」「雨に強い」、そしてできたら「おしゃれ」なもの、という具合に、着こなしのポイントであるおしゃれの順位が、きものや帯などに加えて若干下がるアイテムなのです。

今のところ、実務のバッグとして活躍しているのが、濱野皮革工藝のエナメルのセレブトートです。大人気の「セレブ」シリーズのひとつで、エナメルにしては格段に軽く、重さは500グラム以下。ハンドルがやや短めなのできもの姿にもマッチしますし、洋服に持ってもおかしくありません。そしてA4サイズの書類が楽々入る大容量。

これでしたら、雨の日のお茶のきもののときも気遣いなく出かけられます。私はこげ茶・黒の2色のバッグをきものに合わせて使い分けています。トート型は本来カジュアルなかたちですが、エナメル仕様のため、染めでも織りでも両方に合うと思います。私のお役立ちアイテムといってよいものです。

ところで、この濱野のエナメルトートはサブバッグの扱いで、メインとして使っているのは、保守的ではありますが「あおり型」の利休バッグです。私的なおでかけにも、ふつうはこれを持ちます。

昔から使われているかたちで、いわば定番品ですから、樺澤さんからするとおもしろみに欠けるでしょうが、おでかけのしゃれ着に合うものを好きな生地で誂えるところが、私のこだわりといえるのかもしれません。


しゃれ着用の利休バッグ。左は手芸用品店で見つけたバッグ地、右はシルク更紗のストールをバッグにしてもらいました。



大小霰地の着尺で道行つくったので、余りぎれをバッグ(左)に。右は古い麻布でつくった夏用。透け感がポイントの渋めのバッグです。



その他、アンティーク洋生地や帯地でつくったタイプなど、いくつかを持っています。
たくさん持っているように思われるかもしれませんが、利休バッグは続けて同じものを使うと、短期間で上部端や底部の角の布地が擦り切れるのです。これは修復できません。ですから2日続けて同じものを持たないようにしています。ようは長持ちさせたいのでしょうね。

また利休バッグのハンドルは意外なほどに汚れやすいので、淡色のハンドルのバッグを持つ日は、よく手洗いをします。また、「汗ばんでいるな」と思うときは、ハンカチで持ち手をくるむようにするなど、動作的にもかなり気を遣います。
ふだんのおでかけ用は、淡色を避けて濃色のハンドルをつけてもらうのもよいですね。

この前の樺澤さんの文章を読んで、パテントレザーでつくる利休バッグって素敵かもしれない、とひらめきました。どちらかといえば光沢系寄りに惹かれる私ですので、今度はそういうものをつくってみます。
ちなみに私は自分で生地を用意しますから、バッグひとつの加工費は1万2、3000円ほどです。インターネット上で誂えを受けてくれるところがありますね。


夏のおでかけきものには、籠や編み袋タイプも活躍。これは昔に買った自然素材の編み袋の紐を真田紐につけかえたもの。19世紀のアンティーク更紗の内袋を入れて使います。浴衣をきもの風におしゃれに着たときに持ったりします。



さて私は、おでかけの小物のなかで、しゃれたハンカチや手ぬぐいをお持ちの方を見かけるとマジマジと注目してしまいます。失礼を承知で「それはどちらでお求めに?」とうかがうことさえも。

きもののときは、それらを膝上に広げる機会がままあるために、洋服時よりも注目度が高いと思うのです。
おふたりは、どういうハンカチを使っていらっしゃいますか? そしてそれは、いつもどちらにしのばせているのでしょう?
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