date: 2010年08月26日

subject: 涼しくきものを着るアイデア

from: 植田伊津子


暑い! 毎年ならお盆を過ぎると、夕方からは涼風がただよってホッとひと息つく日々になるように記憶していましたが、今年は暑さがおさまる気配がなく、体にこたえる毎日です。

さすがのわたくしも少しばかりほっそりしました(^_-)。暑さが一段落したら、食欲がぶり返しそうで怖いですね。

そんななかきものを着るのは、もはや精神修行といえるもので、気合いの呪文でもとなえませんことには、外出もままなりません。イヤ呪文をとなえましても、根性無しのわたくしはつらいのです。
きもの業界は真剣に「地球温暖化STOP」活動に取り組むべきと感じています。そして、天然素材もふくめた最先端素材も検討しつつ、COOL(吸湿発汗性にすぐれたもの)肌着やきものの開発をしていかなくては、きものを着る方の減少に歯止めがかからないように思うのですが……。

さて、きものを着る機会が他の方よりも多いと思われるわたくし。「汗を防止するには?」「夏の間はどんな肌着を使っていますか?」と聞かれることがしばしばです。
今日は、わたくしをはじめ、いろんなところでうかがったきものマニアの皆さんの「涼しくきものを着るアイデア」について、ご紹介したいと思います。

【着付けの前の冷シャワー】
暑がりのわたくしの場合、部屋に冷房をきつめにかけておくのはもちろん、着用前に冷たいシャワーを浴びるのが有効だったりします。

発熱したときに身体をすぐに冷やすのは、太い動脈が集まる部分(脇の下、首筋、太ももの付け根)に保冷剤などを当てるのがよいと言われています。冷えた血液が全身をまわれば、体温が下がるからなんですね。ですからそれらの箇所中心に冷たい水を当てます。
浴場から出たら、冷蔵庫の冷たい麦茶を一杯。ガブガブ飲むとお腹をいためますので、一杯だけで充分。これで身体の準備ができました。ようやく着付けスタート!

【夏の肌着】
昨年8月の「肌着・長襦袢」のテーマでもお話ししましたが、わたくしの汗対策はあしべ織汗取りに頼っています。

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本来はあしべ織汗取り→肌襦袢→長襦袢の順に着るものなのでしょうが、私はあしべ織汗取りをつけたら、いきなり長襦袢となりますね。(その場合、裾除けはつけず、綿楊柳のステテコを用います)。


先日、実家に帰ったときに母と肌襦袢談義となりました。母はわたくし以上の暑がりで、あしべ織汗取りをつけると暑くてたまらないといいます。
「やはり夏の肌襦袢は麻に限るわね」という母。
「けれど、麻の肌襦袢→長襦袢→きものだと、きものの背中がすごく濡れない? わたしなんか、9寸絽の帯芯に輪ジミができるほど帯まで濡れるわよ。やわらかものはすぐお手入れに出さなければいけないわ」
「そうねえ。絹は縮んだりシミもできるから困るわね……だから(ボソッ。小声で→)夏は麻しか着ない……」
「茶人なのに、それでええんかいな!(笑)」

あしべ織汗取りを着てやわらかものを着る娘に、麻の肌襦袢と麻長襦袢で麻のきものしか着ないという母。ま、いろいろ好みがあって当然ですが、2人の会話はまだ続きます。

「麻の楊柳の肌襦袢は、糊付けをした布のようなサラサラ感だから快適なのはわかるけれど、私はこれを着ると痛くなったことがあって、それ以来着ないわねえ」とわたくし。
「買ったばかりの麻襦袢って『麻負け』するのよ。それはわかるわ。ちょっと堅くてゴワゴワするものね。だから私は何度も洗って、やわらかーくしたものを着るの。10年以上洗って、破れる寸前ぐらいの薄くなったのが具合がいいわね。お父さんの昔の肌着みたいなの」
「(笑)なるほどねえ」

その話を先日、楽艸の店主・高橋由貴子さんに話したところ、「肌が丈夫そうな植田さんだと思いましたが、やわらかめの本麻肌襦袢も売っているんですよ」とのこと。なるほど、わたくしのリサーチ不足なのでしょう。
本麻肌襦袢をこれから購入するなら、店頭でなるべくアタリのソフトなものを探すのがよさそう。

【冷えピタ&保冷剤作戦】
高橋さんをはじめ、他のきものマニアの方に教えていただいたのは、冷えピタ&保冷剤の活用。

「いくつかの保冷剤をひとまとまりにし、帯枕として使う」
「背中とお尻の間の補整をするタオルの間に、保冷剤を2つほど挟んでおくと涼しい」
「肌襦袢を着る前に熱冷まし用の『冷えピタ』を直接お腹に貼る」

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大人のボティ用の冷えピタ(ライオン)。6時間の冷却効果があるのだそう。


うーむ。皆さんいろいろ工夫をされているんですね。
今夏は清涼スプレー、冷感スプレーなるものが話題だそうで、下着などにシュッと一吹きすると体感温度が2度下がるといったグッズがあるそうです。また、「熱中ガード ぬる アイスノン」を身体に塗っておくという人もおられました。

すごい! 世の中進んでいます。

とりあえず、教えてもらった冷えピタ&保冷剤作戦をわたくしも実行してみました。
冷えピタを冷蔵庫でよく冷やしておいて、おなかにペタッ。冷たーい。効果絶大です。
そしてカチンコチンに凍らせた保冷剤を3つほどを手ぬぐいに包んで、補整として背中と腰の上あたりに当てました。

さて、それらをつけて一日外出をしてみたところの正直な感想はといえば……。
冷たい効果は1〜2時間ぐらいですかね。冷えピタは外出してしばらく、汗をかきはじめたら、貼っていることを忘れるぐらいになりました。
保冷剤はもう少し長持ちしましたけれど、ゲルが溶けたら効果がなくなりました。

当然といえば当然の結果ですが、それでも炎天下の中、2時間ほどの外出で済むのなら、試してみる価値はありそうです。今度は清涼スプレーにチャレンジしてみたいと思います。


ところで、それにしても、今日は挿図写真がほとんどありませんでした。すみません(>_<)。
そこで、先日、お目にかかったきもの美人2人の姿をご紹介しておきたいと思います。

女優の西田尚美さん↓(詳細はこちらのブログ参照)

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暑い最中、宮古上布をまとった西田さん。新里玲子さん作。宮古上布とは、沖縄の宮古島の織物。経糸緯糸ともに苧麻の手績み糸を用います。宮古上布の強靱にして弾力を持つ特性は、この手績みという手法に秘密にあるんですね。


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帯は同じく、宮古上布の中曽根みち子さん作。夏にはあっさりした柄を身につけたいもの。楽艸さんで誂えられた夏用草履とともに。


もうひとりは、きもの*BASICルールの仲間、樺澤貴子さん。とある8月の一日、ランチをご一緒したときの装いです。銀座の街角から歩いていらした姿を見たときに、あんまりステキで、わたくしはドキドキしてしまいました。

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たて縞のように見える畝が特徴的な絹紅梅。絹紅梅とは、絹地のなかに太めの綿糸が規則的に走って「骨」のような構造をしている着尺。綿紅梅にくらべると、地がもうひとつ薄いので、エレガントさがあります。絹紅梅は、夏きものの簡易なポジションとしてさりげなく着用しやすいですね。


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帯は、お身内から頂戴したという紗の9寸なごや。動的な楓と橋のモチーフが洒落ています。バッグは夏限定で使われているというドルチェ&ガッバーナ。白エナメルを編み目のように抜いた細工が目を惹きました。


さて、その樺澤さんがスタッフとしておおいに関わったという『きものsalon』(世界文化社刊)が、リニューアルを経て、先週発刊の運びとなりました。
わたくしも早速購入。

小説家の林真理子さんのきもの遍歴を紹介する企画では、多くの頁を割いてていねいに構成されており、見応え読み応えがありました。また、新世代の方々のリアルなきもの事情や、きものにも洋服にも似合うブランド名品図鑑など、幅広いテーマが楽しい!


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